ER-7CシリーズB 定価 税別450,000円(2017年6月より価格改定)

技術的仕様

The ER-7C シリーズ Bプローブマイクロフォンは小口径の0.95mm径のチューブからイコライザで補正され、フラットな特性を得られます。イコライザ・ネットワークはプリアンプと共に組み込まれています。

イコライザ・ネットワークは個々のマイクロフォンに合わせて調整されています。ビルトインされた音響校正器は1KHz94dB SPLの音を出せます。プリアンプは006Pの積層アルカリ電池を電源として用いています。これにより他の機器(A/Dコンバータなど)と接続したときにグランドループによるノイズ発生を起こさない構成になっています。もし構成(Calibration)動作中にグリーンのテストインディケータが点灯しないときはバッテリを交換してください。

プリアンプにビルトインの校正器: 94 dB SPL@ 1 kHz

プローブ・チューブ: 外径.95 mm x 内径.58 mm x 長さ76 mm (approx. 3.0 インチ)メディカルグレードシリコンラバー

感度: 50 mV/Pascal (-46 dB re 1 V/u Bar): 0 dB SPL = 0 dB uV

精度限界: ±1 dB at 1 kHz; ± 2 dB ( 250 10 kHzの帯域)

出力インピーダンス: 公称235 Ω

無歪出力: 126 dB SPL (2 Volts) min., 5 mA min. in "0 dB" position

(140 dB SPL min. in "-20 dB" position)

ノイズレベル: 55 dB SPL相当 (帯域20 Hz 20 kHzにおいて、標準値)45 dB SPL相当(帯域 20 Hz 5kHz において、標準値)

音響極性: 正の音響圧力は正電圧を発生

使用温度範囲: 0-50° C

使用湿度範囲: 0-95% 相対湿度、結露なし

マイクロフォンケーブル: 交換可能, 2 m (78") 2コンダクタタイプ(シールド付き)

バッテリ寿命: 通常200時間

使用説明

1. マイクロフォン校正

マイクロフォンの校正はプローブチューブの端を1020mm程度校正用音源の出力(outlet)に挿し込みます。プリアンプのフロントパネルの右上部にあるのがoutletです。ON/OFF スイッチを「BAT TEST & CAL TONE」の位置にしていただくと94dB SPL1KHzのテストトーンをoutlet内に発生します。

この出力は他のテスト機器からの出力をレベル校正するときに使われます。

[訳者注]この出力電圧を見て、他の機器からの出力と比較することで絶対音圧に変換できます。

またAC電圧計を出力に接続してモニターすることでマイクロフォンが正しく働いているかどうかをチェックできます。このとき、"0dB"の出力スイッチ位置に設定すれば50mVrms相当の出力が出ます。電圧としては4063mVの範囲であればプローブマイクロフォン全体としてAcceptable(ほぼ正常)とします。(マイクロフォンと校正器そのものの許容誤差}1dBを加算すると25%の総合的な差となるため)

またバッテリを古いものから新しいものに変更しますと1ないし2mVほどの差を示しますがこれは正常です。

・ビルトイン校正器を使わずに外部で別に基準音源を用意して構成してもよろしいです。

Etymotic Research社では一年ごとにビルトイン校正器の校正をメーカで受けるようお奨めします。特に大き

な衝撃を与えたときや機器がダメージを受けた可能性のあるときにはメーカによる校正は役立ちます。(有償)


2.プローブの取り付けの推奨

プローブの取り付けの方法には2つあります。

(1) ヘッドバンドを頭の周りに取り付けて、さらにベルクロを経由してマイクロフォンを取り付ける。(1a 1bを参照)


1a: ヘッドバンドを利用してプローブを取り付ける(オプション1)





1b: ヘッドバンドを利用してプローブを取り付ける(オプション2)














(2) 耳にフックを取り付けてベルクロでプローブを取り付ける。(2を参照)



2:イヤーフック(耳架け)を利用してプローブを取り付け













プローブの耳の耳道内での位置は測定データに大きく影響します。もし耳道がオープンの状態であれば、最低でも耳道の入り口から最低15mm以上は挿入しないといけません。ただし不快な感触とならないよう20mmを超えない範囲の位置で測定する必要があります。プローブを深く挿入したときに少しくすぐったい感覚が生ずるのは普通です。

イヤーモールド(耳道の形にプラスチックなどを成型したもの)を取り付けた閉じた耳道での測定ではプローブチューブのオープンエンドはイヤーモールドのチューブの部分の開口端から4mmを超える位置(鼓膜に向かって近づく)に取り付けてください。これで(イヤーモールドに)接近しすぎることでの測定の読み取り誤差を減らすことができます。

もっともプローブチューブとイヤーモールドで正確な測定をしていただくには、イヤーモールドにチューブ貫通の穴以外にベント(空気抜きの)穴を1mm 径くらいで追加で開けることです。

このベント用の穴は一度無い状態で計測した後でイヤーモールドに開けるということができます。プローブチューブをイヤーモールドと耳道の壁の間から挿入すると、イヤーモールドの機密性をそぐリスクがあります。

(開いたすき間から空気が漏れる)

最初にイヤーモールドにベント用の穴をあけたときはまずプローブチューブを挿入用とするのが良いでしょう。

部分的あるいは完全な密閉度を保てるか否かで1kHz以下の低域の測定結果が変化します。

:プローブチューブは同時には1個しか使えません。


3.プローブ・チューブの交換

交換用チューブはEtymotic Research社から販売されています。76mmのものです。もし標準のチューブの径や長さが変化すると測定値も変わってしまいます。鼓膜の保護や使用時の仕様を満たすためにもEtymotic Research社の純正の柔らかいシリコンラバー製のチューブをお使いください。

[ご注意]実際の耳には硬いチューブは決して使わないでください。

[無償保証など] Etymotic Research社は本プローブマイクロフォンシステムに関して素材・材料と組み立て作

業による不具合のみ対応いたします。無償保証期間は納入時点から12 ヶ月です。誤使用、配線や手順の省

略、間違った配線または正しくない実装による不具合に対しては保証いたしません。