2000年7月から8月10日までの測定データ

左の写真はこの測定を行ったシステムと多少違いますが外観はほぼ同様です。

A.比較的安価に作れて音の良い小型2wayシステムの製作

今月はSEAST25-001 Excelツィータ(左の写真右下)とP14RCY(左の写真左上)の家庭用小音量のためのシステムでシンプルの代表とも言える組み合わせからです。

1.シンプル小音量派向けセッティング(ツィータ測定)

最初はまずはSEAS T25-001Excelツィータです。5μFでカット、8Ω並列で4Ω直列、ユニットが公称6Ωですので7.3Ω近辺でカットオフが4.4KHz付近です。バッフルにつけている関係もありまして2.5KHz近辺にディップがあります。まだ1KHzを見ると切れていないようにも見えますがまずまずです。できればfs(600Hz付近)の盛り上がりを取るためにはLを入れたほうが良いでしょう。今回は価格重視、家庭用小音量での仕様ですのでこのまま使います。

2.ツィータのインパルス測定

続いてこの時のインパルス測定です。実際にはM系列信号で繰り返して周期をずらして自己相関を取ると出るデータです。
データとしてはきれいにインパルスが再現されているように見えます。

3.ウーファの周波数特性測定

次にウーファです。このウーファは0.5mHで高域カット、インピーダンス補正は10μFと6.8Ωの抵抗を直列にしたものをウーファの端子にパラに入れています。3KHzから素直に減衰しています。上のツィータと何とか合わせるにはまずまずのようです。

4.ネットワークの図は下の通り

上の図はスピーカ設計用のSimulator CADでLspCADのものです。

5.シンプル小音量派向けスピーカ測定(総合周波数特性)

この時の二つを合わせた時の総合特性です。ただし、ツィータはウーファより35mm程度後にオフセットされて取りつけられています。フェイさんの防磁長男とツィータは同じでウーファは防磁ではないのですが、ほぼ似た特性100〜20KHz±3dBが得られると思います。

6.シンプル小音量派向けスピーカインピーダンス測定

このシステムは6リットルほどの密閉箱の後ろに息抜きの穴をあけたものです。失敗したバスレフに近い形状です。インピーダンスカーブで見てもそのようなデータです。インピーダンスは300Hz近辺で最低を示し8Ωです。

7.総合評価

音質としては小型スピーカとしてはこの価格帯は市販品は激戦区であるが5万円の部品と箱は1万円くらいで作れる。

8.部品リスト

メーカ名  商品名 (内容) 単価  数量 小計  備考
SEAS(ノルウェー) T25-001 Excel 25mmツィータ 10500 2 21000 Excelシリーズ
SEAS(ノルウェー) P14RCY 14cmポリコーン・ウーファ
(fs:40Hz)
6500 2 13000 もっともハイCP
Madisound(USA) SW.5 1.4mm芯線空芯インダクタ
コイル
1500 2 3000 中級品だがキット201にも
採用
ASC X363 100V 5μF ツィータ用直列
低域カット
2000 2 4000 色づけが少なくハイCP
GE GE41L/ポリプロキャパシタ
400V 10μF
600 2 1200 インピーダンス補正用
デール NS5 6.8Ω/5W型抵抗 600 2 1200 各2本づつ(6.8Ωはインピーダンス補正)
デール NS5 4Ω/5W型抵抗(ツィータ直列) 600 2 1200 ツィータに直列アッテネート用
デール NS5 8Ω/5W型抵抗(ツィータ並列) 600 2 1200 インピーダンス補正と入れ替えて調整
45800 防磁型だと+4000円アップ